2025年7月29日〜7月30日開催
Indonesia International Cat Conference &Exhibitionに出展しました。
猫に関する国際学会です。
7月29日の10:35〜11:35の枠に、スケアクロウとして発表する時間をいただきました。
内容は、「Immune Effect of Lipopolysaccharide(LPS) Supplement – Treatment of Parvovirus Infection and Atopic Dermatitis」
(LPSサプリメントの免疫効果〜パルボウイルス感染症とアトピー性皮膚炎治療〜)です。
インドネシアでは猫伝染性腹膜炎(猫コロナウイルス感染症/FIP)が多く、LPSが治療に有効なのかに関心が集まっていたように思います。
今回の発表でフォーカスした犬パルボウイルス感染症において、発症前や発症直後にLPSを給与されていた群の治療成績が良好であったことから、ウイルス疾患であるFIPにおいても、日常的にLPSを給与して免疫バランスを整えることが発症後の経過に良い影響を与えると考えられます。
モルヌピラビルなどの治療薬が発売されてからは不治の病ではなくなりましたが、その治療の難しさを考えると、LPSは非常に有効かと思います。
また、発表後のディスカッションの時間では、ステロイドの減薬が課題になっているので、LPSによってどのくらいステロイドを減らすことができるのか質問がありました。
症例の状況によりますが、犬のアトピー性皮膚炎治療では、LPS給与開始から1ヶ月ほどでステロイド(プレドニゾロン)を減薬し、症状の再燃なく休薬できた例があります。LPSは、ステロイドの減薬を大いに期待できると考えられます。
猫の飼育頭数が増えている日本の現状を考えると、今後、猫にフォーカスしてLPS給与症例を集めるのはとても価値のあることかと思いました。
今回の出張中は、動物保護シェルターの JAAN DOMESTIC FOUNDATIONにお伺いし、LPSサプリメントと寄付金のドネーションを行いました。
また、3件の動物病院に訪問し、弊社サプリメントの使用感を聞きました。
IPET-Sが良く使われている印象でした。
インドネシアの公用語はインドネシア語(Bahasa Indonesia)ですが、学会参加者の8割ほどは英語が通じます。
宗教はイスラム教が大多数を占めています。訪れた場所はジャカルタのみですが、とても友好的な印象を受けました。
学会ブースに立っていても、ランチのビュッフェに並んでいても、タクシーに乗っていても、皆さん話しかけてくれます。
私は関東と東北にしか住んだことがありませんが、初対面の人に気さくに話しかけるという文化にはあまり馴染みがなく、慣れるまでに少々時間がかかりました。
「コミュ力」は見習いたいところです。
また、今回の学会は出展者もカンファレンス会場に入ることができたのですが、
スピーカー獣医師のプレゼンテーション能力やモデレーター(進行役獣医師)の英語/インドネシア語の翻訳力も素晴らしかったです。
これからも人口が増えることの予想されるインドネシアは活気に満ちていました。
田中聖心