2007年 第28回 臨床学会年次大会 |
動物臨床医学会・財団法人 鳥取県動物臨床医学研究所 第28回動物臨床医学会年次大会 ■期日:平成19年11月16日(金)~18日(日) ■会場:グランキューブ大阪(大阪国際会議場) ■発表テーマ:イペット(タヒボ含有)の動物疾患への効用試験 ■発表者:津曲茂久、桑原正人、大川博、安達実 |
犬のガンに対するイペットの有用性 学会パンフレット 学会抄録集表紙 学会発表内容19年11月小動物臨床」より |
学会発表内容 |
疾患動物に投与したところ、マクロファージの抗酸化作用を低下させ、リンパ球の細胞性免疫機能を亢進する働きがあり、両作用により疾病の治療を早める可能性があることが確認されました。イペットは南米産の有用植物である「イペの樹木樹皮」からエキスを抽出して精製したものです。有効成分としては、ビタミン、ミネラルなどが含まれ、免疫力や自然治癒力を増進する働きがあります。 本実験ではイペットを投与することによって生体内の免疫機能に影響を及ぼすか否かを検討するために、非特異的免疫機能の影響と細胞性免疫機能について検討し、1~4に分けて実験を実施しました。 実験1 ■内容 イペット投与量の差異による白血球の細胞免疫機能の比較検討。 ■結果 イペットには細菌や異物の貧食機能のある白血球に対して活性酸素放出を抑制する抗酸化作用があり、免疫細胞のリンパ球には活性酸素放出を促進する可能性があることが示唆されました 実験2 ■内容 イペット投与量の差異によるTリンパ球のCD4,CD8の比較検討。 ■結果 イペット投与により細胞障害性T細胞由来の細胞性免疫が亢進する可能性のあることが示唆されました。 実験3 ■内容 タヒボ原末群、ビタミンE群、非投与群における細胞性免疫機能の比較検討。 ■結果 タヒボはビタミンEと同様の抗酸化物質としての働きのあることが示唆されました。 さらに、今回の実験の投与群においては0.3g(イペット3包)程度が最適であり、抗酸 化作用においては、0.1g(1包)でも効果があることが示唆されました。 実験4 ■内容 人工的子宮蓄膿発症犬におけるタヒボ原末の細胞性免疫機能の比較検討。 ■結果 以上の結果から、タヒボには活性酸素放出が増加している子宮蓄膿症において抗酸化作用を有し、細胞免疫力を亢進させ、子宮蓄膿症の回復を早める可能性のあることが証明されました。 総 括 タヒボには貧食能を有する好中球、マクロファージの抗酸化作用を低下させ、リンパ球の細胞 性免疫機能を亢進する働きがあり、両作用により疾病の治癒を早める可能性のあることが 確認されました。 学会発表を終えて 動物臨床医学年次大会は数えるところ28回になり、その歴史と格式の高さで多くの臨床医を毎年集めています。 今年も天候にも恵まれ、たくさんの先生、研究者、学生さんたちが訪れました。 動物(犬や猫、鳥など)を情操教育に取り入れた女学生の発表もあり、動物市場の関心の高さが伺えました 弊社も3年続いてサプリメントの発表を行いました。 医食同源という言葉があるように、食から健康が維持され改善されれば、楽しい動物との家庭と社会が 築けるような気が致しております。 |