夏バテで食欲が落ち、痩せこけた犬を治す!(フラット・コーテッド・リトリーバー)

「夏バテで食欲が落ち、痩せこけた犬を治す!」

Q;
黒い犬のフラット・コーテッド・リトリーバー
ブラッドくん(オス・3才7ヶ月)は夏が大嫌いです。

冷房の利いた室内から気温30度以上もある屋外に出ると、
すぐに呼吸が荒くなりよだれをたらし始めます。
夏場の炎天下を15分ほど散歩させただけなのに、
その後ブラッドくんは家でグッタリしています。

そのため、夕飯の時間になっても風呂場のタイルの
上に寝そべっていて、食事に全く興味を示しません。

こんな夏バテ犬を治すには、どうしたらいいのでしょうか?


A;
ビタミンBを多く含んだ食材と夏野菜を与えます。

犬は足裏にしか汗腺がありませんので、
呼吸に伴う熱放散によって体温調節を行っています。

ですから換気の悪い場所や高温多湿の環境下では、
よだれをたらしながら舌を出して荒い呼吸をするのです。

また、日差しの強い場所に長時間いさせると、
日射病・熱射病を起こします。

その結果、体温が40度以上に上がり、
脱水やマヒ、意識低下を起こすこともあります。

犬がこうした症状ではなく、単に夏バテ気味で
食欲が減退しているようならば、ビタミンBと夏野菜が効果絶大です。

ビタミンBは弱った消化機能を回復させて食欲を増大させます。
ビタミンB1・B2を多く含んでいる食材には、鶏レバーや豚赤身があります。

夏野菜(トマト、きゅうり、スイカ)には冷却作用があります。
これらを犬に与えると、体内から犬の体温を下げてくれます。

また、カゼインやベータカゾモルフィンには、
休んでいた胃や腸をいきなり働かせないように、
胃や腸の働きを緩める効果があります。

これらを多く含んだ食材(カテージチーズ、パルメザンチーズ)を
少量ずつ与えて、除々に体調を回復させてあげましょう。

※ブラッドくん(体重30kg)に与えた夏バテ解消食を紹介します。

●材料;
鶏レバー(100g・111kcal)、
豚赤身(100g・151kcal)、
牛赤身(50g・158kcal)、
鶏の軟骨(40g・20kcal)、
キャベツ(50g・10kcal)、
にんじん(50g・19kcal)、
小松菜(50g・8kcal)、
きゅうり(50g・7kcal)、
トマト(50g・9kcal)、
スイカ(50g・19kcal)、
カボチャ(50g・46kcal)、
おから(100g・89kcal)、
無塩の煮干(20g・1kcal)、
きな粉(10g・43kcal)、
擦りゴマ(10g・22kcal)、
カテージチーズ(10g・10kcal)、
パルメザンチーズ(10g・47kcal)、
オリーブオイル(5g・45kcal)


●作り方
1-鶏レバーと豚赤身、牛赤身は表面の汚れを取るために水で洗い、
冷水に浸して血抜きにします。

2-フライパンを熱したら、オリーブオイルで?@の肉を
両面しっかり焼き、1cm角に切ります。

3-にんじんとカボチャは賽の目に切ります。
キャベツと小松菜は千切りにします。
そして、下茹でしてざるにあげます。

4-きゅうりとトマト、スイカは1cm角に切ります。

5-3・4の野菜と果物をジューサーですりおろします。

6-鶏の軟骨を下茹でし、食べやすい大きさに切っておきます。

7-おからは乾煎りします。無塩の煮干はすりつぶします。

8-食器に?Aの肉を盛り付けて、?Dの野菜と果物、?Eの鶏軟骨、
7-のおからと煮干を乗せます。
そして、その上からきな粉とすりゴマ、
カテージチーズ、パルメザンチーズをかければ出来上がりです。


※注意点

●ブラッドくん(体重30kg)に必要な
1日のカロリー要求量は、1630kcalです。
朝夕2回食事を与えますので、
1回の食事のカロリー要求量は815kcalです。

●暑い季節になりますと体内に脂肪を
蓄える必要がなくなるため、食欲が落ちてきます。
夏場の食事は量より質を重視しましょう。

また、いつでも新鮮な常温水が飲めるようにしてあげて下さい。
食欲が減退しながらも、少しずつ食べるようであれば
そのまま様子を見ますが、全く食べなくなったら動物病院へ行きましょう。

●日射病・熱射病には充分に気を付けて下さい。
呼吸が荒く、熱があり、ぐったりしている時には、
直接水をかけたり、水を張った浴槽の中に入れたりして、
いち早く体温を下げることが肝心です。

少なくとも30分くらいは続けましょう。
それから、動物病院へ犬を連れて行きましょう。

(まめ知識)
●犬の1日に必要な最低限の水分量は、
5kgのミニチュア・ダックスフンドは407ml.です。
また、10kgのアメリカン・コッカー・スパニエルは661ml、
20kgのボクサーは1074ml、
30kgのブラッドくんは1427ml必要です。

●犬が痩せているかどうかは触診して判断します。
助骨の部分を手でさわってみて、骨がゴツゴツしていて
骨と皮のような状態であれば痩せすぎです。

また上から全体を見たときにウエストのくびれ具合が
極端で腰椎や骨盤が浮き出ているのが解るときは痩せすぎです。
後ろから見ると、尻尾の骨の形までわかるようであれば、かなり重症です。

●食欲があって食べているのに痩せてしまう場合には、
糖尿病、甲状腺機能亢進症、慢性膵炎、寄生虫病などが疑われます。

また、食欲不振で食べないために痩せてしまう場合には、
感染症、慢性的な下痢、消化器の異常、口内炎、歯周病などが疑われます。