犬の消化器の病気

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犬種別体験談

犬の巨大食道症 きょだいしょくどうしょう
【症状】 何らかの原因で食道が大きく広がった状態。食道が正常に機能せず、食べたものをうまく胃まで運ぶことが出来ません。遺伝性の病気といわれています。この病気の特徴は、水や食べ物を飛ばすように吐き出します。特に注意したいのは、吐く時に食べ物の一部が肺に入って、吸引性の肺炎をおこすことが多い点です。誤嚥(ごえん)して肺炎を起さない注意が必要ですし、一般の肺炎同様に熱や咳が出て、死に至ることもあります。
【原因】 原因不明の突発性のものと、何らかの病気が原因でおこる場合があります。離乳直後の仔犬が固形物を戻す場合は、先天的に心臓血管系の異常があり、食道に食べ物がからみついて通過しにくいという例が多いのです。また、食道炎や食道狭窄(きょうさく)、食道腫瘍、食道に入った異物などが原因となることもあります。


犬の急性胃炎 きゅうせいいえん
【症状】 痛みのために腹部が緊張し、激しい吐き気を伴います。食べ物、胃液、粘液、血液などを吐きますが、吐くものがなくても吐く動作をくり返します。
【原因】 不衛生な水や腐敗した食べ物、毒性のある物質、異物を食べたときにおこります。
このほか、ジステンパー、伝染性肝炎、パルボウィルス感染症など、急性の伝染病も原因となります。
仔犬の場合、脂肪分が多い濃厚な食事で胃炎をおこすこともあります。
小さなおもちゃなどの異物を飲み込んでも胃の粘膜を刺激するため、胃炎になります。

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犬の慢性胃炎 まんせいいえん
【症状】 長時間にわたる胃の粘膜の炎症で、食欲がなくなり、やせてきます。
数週間にわたって間欠的に吐いたり、何度もゲップをしたり、口臭を感じたりします。
腹部の痛みや貧血がおこることもあります。
【原因】 原因はつきとめにくいのですが、消化不良、胃の運動低下、ストレス、胃内異物による場合もあります。このほか、尿毒症や胃潰瘍(いかいよう)、胃の腫瘍によっておこることもあります。
長い間、消化の悪いものを食べ続けた老犬に多い病気です。


犬の胃拡張・胃捻転 いかくちょう・いねんてん
【症状】 胃拡張は、老犬で痩せ型、胸と背骨の間が長い、胸の深い大型犬に多く起こります。
胃拡張は急性的に胃が大きくふくらんだ状態で、捻転は拡張した胃がねじれたもの。
胃拡張の症状は、腹部、よだれ、嘔吐、ゲップ、水を大量に飲むなど、捻転を伴った場合は、食道と幽門がふさがり、ガスがたまって胃が以上に膨らんできます。吐き気はあるのですが、ふさがっているため吐けず、激痛と循環障害によるショック状態に陥ります。一刻も早い処置が必要になります。
【原因】 ドライフードなど多量に食べ過ぎた時、水をがぶ飲みし、急に運動すると発症するときがあります。胃からの食べ物の移動が防げられたとき、急激な運動をしたときなどにおこります。


犬の胃潰瘍 いかいよう
【症状】 たびたび吐きます。吐いたものは胃の出血が混じってコーヒー色をしています(吐血)。
真っ赤な鮮血の場合は肺からの出血(喀血:かっけつ)で、いずれも早急な治療が必要になります。
このほか、発熱、腹部の痛み、便に血が混じるという症状もみられます。ひどくなると胃に穴が開いて、死亡することもあります。
【原因】 大半が腎不全や肥満細胞種という腫瘍によりおこりますが、肝不全や敗血症などが原因となる場合もあります。


犬の腸閉塞 ちょうへいそく
【症状】 完全閉塞と不完全閉塞があります。完全閉塞の場合は必ず嘔吐が伴いますが、不完全の場合はともなわないこともあります。食欲の低下や嘔吐が続き、食べたものを吐いてガスにより腹部が膨張し、下痢をおこします。この状態が長く続くと、脱水症状をおこすこともあります。
【原因】 石、ボール、おもちゃなどの異物を誤飲したことによっておこります。まれに、腸捻転、寄生虫などが原因ともなります。

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犬の腹膜炎 ふくまくえん
【症状】 発熱、嘔吐が主で、腹部を触られるのを嫌がったり、腹部がはれた感じに見えます。
【原因】 胃や腸の内側に穴が開き、中のものが腹腔(ふくくう)内にもれ出した時や、腹部に何かが刺さったことが原因です。


犬の大腸炎(大腸性下痢) だいちょうえん
【症状】 水っぽい、粘膜状の便を少量づつ何回も出します。
ゼリー状の粘膜が付着した便や血液が混じることもあります。
【原因】 細菌や寄生虫の感染、食べ物アレルギーや免疫的なものによっております。


犬の肝炎 かんえん
【症状】 嘔吐、下痢、多飲多尿、においの強い粘土色の便と同時に、目や口の中、体の各所が黄色くなる黄疸(おうだん)があらわれます。黄疸が出た場合は、病気がかなり進行して危険な状態です。
【原因】 ウィルスや細菌の感染、中毒などによって、肝臓に障害を受ける病気です。


犬の肝硬変 かんこうへん
【症状】 何となく元気がなく、やせてきたと感じます。ひどくなると、食欲不振、痛み、黄疸などがあらわれ、死に至ることもあります。
【原因】 肝臓に繊維細胞が増えて硬くなり、肝細胞がゆっくりと壊れて肝機能が低下します。フィラリア症の末期にも見られます。


犬の急性膵炎 きゅうせいすいえん
【症状】 食欲不振、下痢、激しい嘔吐やショック症状をおこします。悪臭のある下痢には血液が混じり、激しい腹痛により横になることができません。ひどくなると死亡する場合もあります。
【原因】 膵液(すいえき)の働きが活発になり、膵臓自体が消化されてしまう病気です。
高脂肪の食事、肥満、高カルシウム血症や尿毒症などの疾患とみなされています。
脂肪分が多い食事をとっている、肥満した中年齢層の犬に多く発症します。


犬の膵外分泌不全 すいがいぶんぴふぜん
【症状】 肝臓に障害があるために、たくさん食べても太れない病気です。食欲旺盛でいつもたくさん食べるのにやせて、そのうえ大量の便をします。便は白っぽく、くさった油のような臭いがします(脂肪を含んだ便)。まれに自分の便を食べる犬もいます。
【原因】 膵臓の萎縮や、慢性膵炎などの影響で、膵臓から消化を行うのに十分な酵素が分泌されないためにおこります。犬は消化不良をおこして太れません。一般的に大型犬に多い病気です。


犬の肛門嚢炎(肛門腺炎)こうもんのうえん
【症状】 軽症のうちは、おしりを地面や床にこすりつけたり、頻繁になめたり、自分の尾を追いかけたりします。重症になると肛門嚢(肛門の両側にある袋状の小さな嚢)がはれて、破けて痛みが生じます。さらに細菌に感染すると化膿したり、膿瘍(のうよう)となって膿(うみ)や血液を排泄します。
【症状】 肛門嚢は左右に二つある、特有のにおいのある分泌物を出す袋で、マーキング(においつけ)に必要な器官です。便に固有のにおいをつけたり、恐怖や危険を感じた時に分泌物を排泄する犬もいます。肛門嚢に細菌が入って炎症が生じ、排泄口がふさがって排泄されないため、分泌物が異常に濃くなったり、化膿したりします。

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