サイトカイン(免疫ホルモン)のバランス調整

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見慣れない図になりますが、アナタ自身、お身内の方、
動物(イヌ・ネコ)にもこの免疫メカニズムは学問的にも認識されているものなので、
是非頭の中に入れておいて下さい。

〔解説〕
ヒト・動物の生体は1日に何千個のガン細胞が体内で出来ては消えています。

体の中の細胞が健康であれば、免疫メカニズムで進入してきた
悪いウィルスを排除することができますが、
免疫メカニズムのバランスを崩してしまうと様々な病気におかされてしまいます。

悪い細胞が体の中に入ると、まずNK細胞(ナチュラルキラー)
悪い細胞(ガン細胞など)を食い殺そうと体の中からでてきます。

食い殺されない悪い細胞は生き延びて体の中にどんどん増殖していきます。
すると、今度はマクロファージ(貧食細胞)という味方が悪い細胞を退治しに出てきます。

さらに悪い細胞も生き延びようと闘うわけですが
悪い細胞をやっつけるにはインターロイキンインターフェロンという
サイトカイン(指令物質)を出して、もっと味方の細胞を増やし退治しようとします。

運命の分かれ道が免疫細胞の途中のメカニズム、
Th0からTh1にいくか、Th2にいくかによって決まります。

目には見えませんが体のなかでは「すごろくゲーム」のようなことが行われているのです。

免疫のバランスを崩すと病になるということを是非お知り置きください。

いかにこの免疫バランスの調整が難しいか、
ガンは免疫の低下により発病するもの、
そして花粉症アトピー・アレルギー、リュウマチは免疫の過剰反応が病を発症させます。

ただ単に免疫を上げるということにとらわれず、いかにバランスよく
生態という「やじろべー」が機能しているかが重要です。

免疫力UPという言葉だけにとらわれないで下さい。

くどいようですが「バランス」です。

そのバランスを動物医療のなかで
私どもに認識させて頂いた先生の理論がここにあるのです。

日本獣医畜産大学  助教授 藤田 道郎先生につづく